思想は伝染する

転職活動をしようと決めたとき、

僕は周りの仲間たちと結構な頻度で

なりたいビジネスマン像について

語り合っていた。

 

 

会社に不満を持っていた若手はとても多く

明るい未来に繋がる理想論をあれこれと

巡らせて楽しんでいたのだ。

 

 

転職活動の時、僕は職場の愚痴を一切

言わないようにしていた。

むしろ明るい未来や、なりたい姿について

熱く語るようにしていた。

 

 

これには理由がある。

 

 

転職活動では現職の不満を言うのは

絶対にタブーとされているのだ。

 

 

面接官の立場からすれば、

現職の不満を言う奴は信用ができない。

自分の会社に入っても、同じように

なるんだろうなと連想するからだ。

 

 

どんな会社でも100点の環境など存在しない。

そんな当たり前の客観的な事実を理解せず

愚痴ばかり言っている奴がいたらどうか。

 

多分、思慮の足りない子供か

よっぽど頭が悪いと思われるだろう。

面接官が知りたいのは、相手が自分の

会社に貢献してくれるかどうかだ。

過去ではなく未来を見たいのだ。

 

 

そもそも面接官はプロなので

転職してくる奴が不満を持っているなんて

百も承知である。

 

それが分かっていて

わざわざ地雷を踏む人は嫌われるのだ。

 

だから僕は普段の生活で愚痴を言うのを

やめた。多分面接の時だけ取り繕っても

ばれてしまうからだ。

 

 

そうして仲間と未来について

あれこれと語り合っていると不思議な

ことが起きた。

 

 

僕の考えを周囲が理解し、

行動するようになったのだ。

 

 

例えば一度も転職を考えたことが

無かった後輩も転職サイトに登録し始めたし

パワハラ上司に毎日説教飲みに付き合わされ

ていた同期も、上手いこと理由をつけて断り、学校に行ったりするようになった。

 

今では二人とも転職を成功させて

新しい環境で活き活きと働いている。

 

 

愚痴を言い合っていた時には

全くそんなことはなかったのに、

前向きな未来を語り始めた途端に

行動が変わるなんて、不思議なものだ。

 

 

思想は伝染していくものなのかもしれない。

毎日の負のループから抜けられずに悩んで

いる人がいたら、是非未来への思想を語る

ことを試して見てほしい。

 

 

自分が関与して他人が変わってくれるのは

格別に嬉しいものだ。